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お薬増えたね

端的な無

あの時、僕を出社拒否へと駆り立てたのは強い拒絶感ではなかったか。こんな生活もう嫌なんだという絶望ではなかったか。その後、ポートアイランドまで歩いていったのは何かしらに対する不安があったからではなかったか。今はもう拒絶感も不安も焦燥感もなく、ただ無があるのみ。端的な無。抗うつ薬を飲んですべて消えてしまった。僕を動かすものは何もなくなってしまった。ただ寝て起きてシコってTwitterをみて、そんで一日が終わっていく。ただそのことに絶望はないし将来の不安もそんなない。端的な無があるのみだ。僕の生活は最近、無である。しかし、よく考えてみれば前から無であった。無であるという点ではなにも変わっていない。出社し帰社し飯食って寝る。また、朝起きて会社に行く。たまに休日出勤があったり、連休があったりする。決まった日がくればお給料が口座に振り込まれ、その給料を一ヶ月かけて徐々にゼロにしていく。

 

回るハムスター

この間、大学の友達と飲みに行ったときにそんな話をした。一ヶ月かけて前月に得たものをゼロにしていく生活、僕はそんな生活を「ハムスターがさー、くるくる回ってるじゃん?あんな感じ。何も得るものがなく終わっていく感じ」と称した。ハムスターがくるくる回っている感じ。前進しないし得るものもない感じ。同じくニートをやっている友達は「あー、なんかわかる」と同意してくれた。わかってくれるんだ、さすが僕の友達だなと思った。やはり似たものは集まるのだ。

 

夢の中へ

今日はお医者さんに行った。週一回の通院日である。17:30にベッドを出て18:00に家を出た。「今週は、何回家から出ましたか?」と聞かれたので2回と答えた。土曜日と日曜日、彼氏と一緒にそれぞれ1回ずつ買い物に行った。

「会社に戻るか否かは別として、社会生活を送る上で朝きちんと起きて何かしらするというのは大事なことです。どうしたら家を出られますか?」

「やる気がなくて。起きて、どこか行こうと思うんですが、結局まあいいやと思ってしまって」

「そうですね。いつものお薬とは別に、やる気がでるようなお薬を増やしておきますね。あと、診断書が切れますので追加で書いておきます」

「ありがとうございます」

というような会話をして診察が終わった。

やる気が出るようなお薬も追加されるようだ。家に帰って、マルチビタミン&ミネラルとともにもらったお薬を流し込んでいまに至る。ロング缶のストロングゼロを煽りながらただ漫然と文章を書いている。抗うつ剤とともに、今まで僕を突き動かしていたマイナスな感情がゼロになった。そして、生活自体もゼロになったんだ。今日処方されたやる気が出るようなお薬で、僕自身がプラスになればよいな。明日からちゃんと動けるようになればいいな。ただ、実際もうどうでもいいんだ。どうなっちゃってもいいんだ。ただ、ひたすら寝ていたいよ。シコって寝ていたいよ。夢の中へ。ずっとずっと夢の中へ。遠くに聞こえる電車の音、陽気な日差し、カーテンをはためかせる春風とともに夢の中へ。

 

細胞から腐ってる

僕自身病気かと言われるとそうではないと思う。病気だとすれば僕自体が病気だ。状態異常ではない。いつもこんな感じだったんだ。細胞一つ一つから腐ってたんだ。平常運転だ。愛する人が隣にいて、なんにもしてなくて、夜になったら一緒にお酒を飲んで、それでいいんだ。

会社を休む為に必要な、3枚目の診断書は今日明日にはメールで総務に送らなくちゃいけない。3枚目ということは、もう僕は2ヶ月もだらだら会社を休んでいることになる。送らなかったらどうなるんだろう。いい加減よくわからない精神病で休むのにも罪悪感がある。早めに会社を辞めたいが、辞めるとなるとよくわからない手続きや引き継ぎで会社に行かないといけない。今はそんなの到底できないので、どうしようもない。

 

パンとバナナ

2ヶ月の間に僕は何をした?最初は、絶望や焦燥感からいろいろと動いていた。もう最近は、だめだな。ずっと何もしていない。彼氏が家に来ているときは普通に動いている。一人になると、何もしていないな。Kindleで本を読んで、Twitterをみて、ベッドの上でパンをかじって。パンはすごいよ。袋をあけるだけで食べられる。冷凍食品やカップラーメンよりも手軽だ。あれは「チンする」とか「お湯をわかす」という作業が必要となる。ニートにとってその作業自体億劫だ。めんどくさい。パンやバナナはニートの重要な食料源だ。一瞬で食欲を満たすことができる。

最近はもう料理をしなくなったな。働いていたときは、ずっと自炊をしていて、お弁当も作っていたんだけどな。もうずっとベッドの上でパンをかじっているだけだ。でも、マルチビタミン&ミネラルを毎日倍量飲んでいるから働いてたときよりもずっと健康なんだ。さかむけもない。爪もツヤツヤしている。健康だ。前よりずっとずっと健康なんだ。以上。